石炭の中にも0・3~数パーセントのイオウが含まれています。
ロンドンスモッグはこの石炭の燃焼によって発生する亜硫酸ガスが主原因となっていました。
現在の日本では、石炭がエネルギー源として使用されることがほとんどありません。
石炭による煙害は、ごく古い型の火力発電所を除いて、まずなくなったといえます。
今日の汚染の主原因は、石油の燃焼によるものが大部分です。
原油中には、アラビア・クウェートなどの中東石油で2~3パーセント、ミナス・セリアなどの南方石油で0・1~0・3パーセントぐらい、ロシア産の原油で0・3~0・8パーセントぐらいのイオウが含まれています。
イオウの含有量が多いほど原油の価格が安いのです。
また、原油が精製されると、イオウの大部分は、安い重油の中に残ってしまいます。
このため、燃料として重油を大量に使用する火力発電所からの亜硫酸ガス排出量が多くなるわけです。
家庭で用いる灯油や自動車用のガソリソ中のイオウ量はごく少ないため汚染源としては重要ではありません。
都市の亜硫酸ガス濃度が冬期に高くなるのは、ビル暖房に低価格の重油を用いるからです。
最近、天然ガスが無公害エネルギーとして宣伝されているのは、イオウ分がほとんどないためです。
しかし、チッ素酸化物などの発生に変わりはないので、無公害というわけにはいきません。